南町奉行所跡から発見された穴蔵

 有楽町駅前(東京都千代田区)の地下で「南町奉行所跡から発見された穴蔵」を見かけた。

 この板枠は、ここの再開発に伴う遺跡発掘で発見された「穴蔵」を、壁に立てて展示したものです。この穴蔵は、江戸時代中期の南町奉行所内に掘られてた地下室で、なかから伊勢神宮の神官が大岡忠相の家臣に宛てた木札が出土しました。また遺構両脇の木製ベンチには江戸時代の水道管(木樋)を、向かいの石のベンチには奉行所の石組材を再利用しました。
 穴蔵の構造は、厚い板材を舟釘で留め、隠し釘となるように端材を埋め、板材の間には槇肌(木の皮)を詰めて防水処理をしています。また、壁板の一辺には水抜き穴があき、そこから竹管が延びて桶に水が溜まる構造となっています。
 ここがかつて町奉行 大岡越前守がつとめた南町奉行所(東京都旧跡)であったことや、江戸時代の技術などを伝えるために設置しました。

平成20年3月
千代田区教育委員会

(2017年12月現在)