新しくなった「姫路城」を見に行ってきました~姫路城 天守閣(下)~

 姫路城(兵庫県姫路市)の天守閣最上階からの眺望はいい感じでした。

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 天守閣から下り外へ出ます。

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 大きな広場ではいい感じに姫路城を見ることができました。

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「石棺

 備前門の入口脇にはきれいに加工された直方体の石が縦に積まれています。これは、古墳に埋葬されていた石棺の身で、築城の際に石垣に転用されたものです。そのほかの石垣にも組合式石棺の側石や底石なども転用されています。こうした古墳の石棺が積石として多く転用されているのが、姫路城の石垣の特徴です。築城によって、姫路近辺にあった古墳がいくつも破壊されたことが想像できます。」

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「お菊井戸

 この井戸は、播州皿屋敷の怪談で知られる「お菊井戸」といわれています。
 永正年間(1500年頃)、姫路城主小寺則職の執権青山鉄山は町坪弾四郎と語らい、城を奪おうと企てていました。則職の忠臣依笠元信は、お菊を青山家に女中として住み込ませ、その企てを探らせました。則職暗殺を探知したお菊が元信に知らせたため、則職は家島(姫路市)に逃げて殺されずにすみましたが、城は鉄山に乗っ取られました。お菊の動きを知った弾四郎は、お菊を助ける代わりに結婚を強要しました。元信を慕うお菊はそれを拒みました。弾四郎は、お菊を憎み、青山家の家宝の10枚揃いの皿の1枚を隠し、その罪をお菊にかぶせて責めあげました。それでも弾四郎を拒むお菊は、ついに切り殺されて井戸に投げ込まれました。
 その後、毎夜この井戸から「1枚、2枚、3枚、…9枚」と9枚目まで何度も数えるお菊の声が聞こえたといいます。やがて元信らが鉄山一味を滅し、お菊は「於菊大明神」として、十二所神社内に祀られました。」

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「大天守の鯱

瓦葺屋根の大棟の両端につけられている飾りの一種で、鬼瓦と同様に守り神とされました。姿は魚で頭は虎、尾ひれは常に上を向き、背中には幾重もの鋭いとげを持っているという想像上の動物を模しています。

明治の鯱

5代目の姫路城大天守の鯱です。昭和の大修理の際に、大天守の東側に上がっていたものです。全国的な傾向として江戸中期以降の鯱は耐久性に乏しいため、新しい鯱と入れ替えました。
銘文には万延元年(1860)製作と記されています。

昭和の鯱

6代目の姫路城大天守の鯱です。昭和の大修理の際、大天守の二重の屋根に、貞享4年(1687)の銘のある小型の鯱が発見されました。これは姫路城に現存する最も古い鯱と考えられたために、これにならい大天守五重の大型の鯱を含め11の鯱が復原されました。

平成の鯱

7代目の姫路城大天守の鯱です。平成の修理では大天守最上層の2尾の鯱が取り替えられましたが、これは山本瓦工業株式会社から寄贈された同型の鯱です。平成23年(2011)11月に造形に着手し、充分に乾燥された後燃成し、翌年2月に完成しました。形は昭和の鯱を忠実に再現しています。」

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「扇の勾配

 高石垣の角のところを横から見ると、上にいくほど反り上がる曲線を描いていて、扇を広げたときの曲線に似ていることから、こうした曲線をもつ勾配を「扇の勾配」と呼んでいます。石垣が高くなるほど、内部から積石には大きな圧力がかかり、石垣を崩す原因になります。その力に耐えられるように、裾部は傾斜を緩くしています。上部は垂直に近い急傾斜なので、敵に石垣を登らせないようになっているといわれています。
また、石垣の角には、直方体の石を長短の辺が交互になるように積まれています。直方体の石が算木に似ていることから算木積みといいます。高石垣が築かれるようになる慶長期(16世紀末から17世紀初め)に完成した積み方です。」

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「をの門跡

 いの門からぬの門を経て大天守へ向かう道をした道といいます。をの門は、下道の最初の門になります。門は高麗門形式で、その横にりの櫓がありました。をの門からぬの門までの間は一つの大きな枡形空間を形づくっており、下道における防御の要ともなっています。
 をの門とりの櫓は、明治15年(1882)2月に失火によって焼失しました。」

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「井戸

 城を築く時には、いかに水を確保するかが最も重要となります。
 城外に水源を求めると、籠城戦となった場合、攻め手に水路を断れたり、汚物や毒物を投入される危険があるので、安全な水源は城内の井戸になります。
 姫路城では内曲輪だけで33ヵ所の井戸がありました。現在では11ヵ所が残っています。これらの井戸の中には深さは約20~33mのものもあり、姫山の岩盤に届く深さになります。
 ここの井戸は深さ8.8m、水深2.7mです。」

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「天を突くように威風堂々とそびえる、白く輝く大天守。その圧倒的な姿は、白い鷲が舞い立つように見えることから、別名「白鷲城」と呼ばれています。昭和の大修理から45年。「平成の修理」と呼ばれた大天守保存修理工事は、かけがえのない世界文化遺産・国宝を築城時そのままの美しい姿で次の世代へ引き継ぐため、漆喰壁の塗り替えや屋根瓦の葺き直しを中心に約5年をかけて行われました。

姫路城の美しさの象徴でもある漆喰壁。外部にすべての表面を漆喰で仕上げる白漆喰総塗籠造という工法が用いられています。消石灰、貝灰、すさ、海藻などを材料とする古代からの伝統工法を継承するもの。薄く何度も塗り重ねることで、その厚さは3cmにも及び、これにより火災や風雪から城を守っています。」

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「日本最高峰の木造建築にして、世界でも類を見ない美的完成度を誇る姫路城。城郭建築では外観の屋根の数を「重」、内部の階段を「階」で表します。大天守も外から眺めると一見して、5階建てに見えますが、内部の造りは地上6階・地下1階構成になっています。」

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 次に、姫路城の西の丸を見ることにしました。

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(続く)

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