日本橋三越本店

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 日本橋三越本店(東京都中央区)の入口では、ライオン像が出迎えてくれます。

野性の威厳

スフィンクスは問いかけて人を試したが
このライオンは人に答え続ける存在だ
私たちの心はどんな時代にも
聖俗ごたまぜの問いかけに満ちている

歴史に翻弄される私たちの前で
時の流れに洗われながらも
苛酷な天災人災にも恬然として
静かに王の威厳を保ち続け

ブロンズの肌の冷たさの奥に
ひそかに脈打つ心臓を隠している
手で触れることはできないが
心でそれに触れることができる

人智を超えたこの野性の存在は
無言でただそこにとどまることで
どんな言論にもどんな行動にもまして
勇気と自由の大切さを人に告げる

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 この日本橋三越本店ビルについて。

東京都選定歴史的建造物 三越本店
所在地 中央区日本橋室町1-4-1
設計者 横河民輔 中村伝治
建築年 大正3年(1914)

 三越は、延宝元年(1673)に「越後屋」として創業した。「三井呉服店」を経て、「三越呉服店
」となり、大正3年(1914)には、鉄筋コンクリート造による大規模な百貨店の新築を行った。
 当時の建物はネオ・ルネッサンス・スタイルの壮麗な建築で、5階建一部6階、中央部に5階まで吹き抜けのバロック的大空間をもっていた。その後、震災で損傷し、昭和2年に復興するが、更に昭和10年全館の増改築が完成し、現在見られるような規模となった。
 建物中央部の吹き抜けホールは、アーチ状の天窓からの光がホール全体を照らし、5階までの各階にはバルコニーがめぐり、アール・デコ風のデザインが目につく。そこに展開する装飾豊かな空間は見事である。

(2015年3月21日現在)

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