消防車の歴史

 赤坂(東京都港区)のニッショーホールの入口で、消防車の歴史的展示物を見かけました。

「腕用ポンプ 昭和初期製

名称 金馬簾喞筒
年式 昭和初期製
給水管 75mm 3吋(棒給水管3本)
吐水口 50mm 吋
製作 金馬簾喞筒合資会社
   東京都中央区(旧日本橋区新大橋際)
履歴 昭和初期、福岡県八女郡上妻村後ノ江區(上妻消防組第六部)に配備され、その後40有余年間消防団とともに活動してきた。
   昭和63年に八女市消防本部から日本消防協会に寄贈を受ける。

腕用ポンプの運用概要
 性能としては、小型動力ポンプ3馬力程度の性能があるのではないかといわれ、実際に火災で使用した団員の話では、放水の初期は水が連続して出るが、長時間に及ぶ放水では漕ぎ手が疲れ、断続的な放水となり圧力が低下したとのこと。また、漕ぎ手は6名くらいが一組になり団員同士で交代し、それでも人員が不足したときは手近にいた野次馬も協力して漕いでくれたとのこと。
 圧力が低下したときなどは、筒先員は筒先の先端を指で押さえ圧力を上げて放水するなどの苦労があり、大きな火災では、ポンプを何台も稼働させ、人海戦術で事に当たっていたとのこと。
※金馬簾とは、前面に1本だけある金の纏のふさのこと。」

「腕用ポンプ 明治21(1888)年製

 明治中期の頃より、活躍した国産ポンプの一機種である。明治初期に外国より各種消防機器が輸入され、消防の近代化が始まったが輸入代価が高価であり、また国産品が奨励されたことから、国産ポンプとして高性能なものが完成し、江戸時代より使用されていた龍吐水にとってかわった。
 この腕用ポンプは、伊勢野村(現、埼玉県八潮市伊勢野)所有のもので、消防団の前身、消防組の人達により使用され、俗に「テレキスイ」といわれていた。現在まで約120年以上経過しているが、良好な状態で保存されている。」

 「ペルー蒸気消防馬車」。

「ペルー蒸気消防馬車

製造年 1860年
製造国 イギリス
製造社 メリー ウェザー社
寸法 全長3.4m 巾1.6m 高さ2.1m

 この蒸気ポンプ車は、当時ペルーにて使用されていたもので、ペルー義勇消防協会と日本との消防友好親善にもとづき1993年10月財団法人 日本消防協会に寄贈されたものです。」

(2016年5月12日現在)